ひきこもりから立ち直り、大学で個性を発揮するようになったAさん

当時中学3年生の男子Aさんは、友人関係の問題がきっかけで学校に行くのが辛くなり、家にひきこもるようになりました。お母さんは心配して学校に相談しましたが、「不登校は誰にでも起こりうること。しばらく見守りましょう」と言われ、毎朝お弁当は作るものの登校への無理強いはしませんでした。しかし毎日自分の部屋でゲームをしている我が子を見ると不安でたまらなくなり、ある日お母さんは、一念発起して当研究所にやってきました。

最初はお母さんだけの面接で助言指導を行いましたが、暫くすると本人の心が動き、Aさんとのカウンセリングに切り替わりました。

Aさんは幼稚園の頃も登園渋りがあったなど分離不安が高く、人との関りにも緊張が伴いがちでした。
私とAさんの面接関係が続くなか、学校は不登校のままでしたが、時々担任が家庭訪問をしてくれ、Aさんは何とか単位制高校に進みました。

在校時間が少ない単位制高校の生活は時間にゆとりがあったので、Aさんと私の間で、アルバイトにチャレンジするという話が持ち上がりました。そしてAさんは週に何時間かのアルバイトを始めました。そしてそのうち、Aさんは自分のアルバイト料で面接料金を支払うようになりました。しかしながら、対人的に未熟なAさんにはアルバイト先での苦労が多く、カウンセリングの度に愚痴をこぼしたり私に泣きついたりしました。それでも辞めずに学業とアルバイトを両立させたAさんは、面接開始から4年目、希望の大学に合格しました。
大学で彼の個性が発揮されるようになると、次第に友達もでき、カウンセリングは終わりました。
その後は充実した楽しい大学生活が順調に展開していったとのことです。

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