不登校

私は不登校児童生徒やその保護者といっぱい出会ってきました。元不登校だった大学生にも多く会っています。

学校に行きづらい我が子を見るのは辛いものですが、最近の日本の小中学校では、スクールカウンセラー制度が進んだり、児童生徒が教室に入れなくても勉強する場が確保されるなど、不登校対応が昔よりかなり充実してきました。不登校生徒のための公立中学校や高等学校も出来ています。

ただ、一方で、気になっていることがあります。

一人ひとりの心の有り方に触れていくような、質の高い「個人カウンセリング」の機会が、果たして十分あるだろうかという点です。

不登校児童生徒の中には、対人関係が苦手な人や、心がぜい弱で傷つきやすい人が多くいます。心理的なぜい弱性から心身症やパニック障害を抱えている人もいます。

学校や社会がそうした個人の弱さに配慮し、個人の存在や学業が保障されることはとても重要ですが、それだけでは不十分ではないでしょうか。やはり、もう一方で、ぜい弱さからの成長というか、心を育てる作業が必要だとも思うのです。

その点、「個人カウンセリング」では、自分の対人関係の特徴や心の持ち方のくせ、人との間での気持ちの動きなどにも丁寧に触れていきます。そして、そうした心理作業を積み重ねているうち、だんだんと自分の姿を振り返れるようになってきます。そうすると、対人関係のあり方にも変化が現れ、気が付くと、「ハードルがあっても飛び越えられる強さ」が付いてくるのです。

私はたくさんの不登校児を送り出してきました。それぞれが希望の大学にすすんだり、やりたいことを見つけてじぶんの人生をすすんでいきました。不登校や引きこもりで困っている人に出会ってお手伝いをしたいといつも願っており、またそれができると確信しています。