仕事や人間関係などによってうつになってしまうことがあります。とくに現代においては多くの方がなりやすい病といっても過言ではありません。そんなうつですが、もしもなってしまった場合に、ぜひおすすめしたい4つの改善方法についてご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。
十分に休む
うつになってしまった場合ですが、まずは十分な休養が必要です。うつ状態だと心身ともに休むということが最大の治療になります。
しかし、実際にうつになったときというのは休むということに対して後ろめたさなどを感じてしまうことも少なくありません。病は気からという言葉がありますが、その言葉の誤った解釈をして、気のもちようでどうにかなるものという誤解も一部ではあるため、無理に頑張ろうとしてしまうかもしれません。それでも休むということを何よりも優先しましょう。
仕事をされている場合には、働きながらの休養というのはあまり効果がありません。休養をするのであれば、仕事も一時中断して集中して行うことで初めて効果があります。そのためには入院することも検討するといいでしょう。
入院というのはあまりに大げさであると感じてしまうかもしれませんが、そのくらいしっかり休む必要があります。改善方法として集中した休養が大切なのです。責任感が強い方がうつになりやすい傾向にありますが、そういう方ほど休むということに罪悪感をおぼえがちです。しかし、とにかく症状を改善することを何よりも考えて休みましょう。
焦らないように心がける
うつはすぐに改善できるものではありません。治療を始めてから根気強く継続することによって、しだいに症状が緩和されていくものです。しっかりと休むなかで心身ともに回復したように感じるタイミングも出てくるでしょう。
しかし、そこで焦って復帰してしまうことがないように気をつけましょう。休んでいるということに後ろめたさを感じている方だと、回復の兆しが見えた段階で日常生活に戻ろうとしてしまうかもしれませんが、焦りは禁物です。
怪我などと違って目に見えるかたちで改善したかどうかがわかりにくいのがうつの特徴でもあります。改善ができたのかわかりにくいという反面、都合良く解釈して改善したと思いこんでしまいやすくなってしまいます。簡単に改善できるようなものではなく、時間をかけて徐々に改善していくのがうつです。
また、休養中に経済的な事情で復帰をしなければならなくなるというケースも少なくありません。いくら焦らないようにと言われても経済的にピンチであればそうは言っていられないでしょう。
そこでうつの方に向けて経済的な支援制度が複数用意されていることをご存知でしょうか。支援制度を活用することは決して悪いことではありません。休養している最中に経済的に困窮することがないようにうまく活用しましょう。
服薬による治療
医療的なアプローチによる改善方法としては、服薬による治療方法が挙げられます。うつは脳の問題なので、適切な薬物治療を行う必要があるのです。これは休養とセットで行うものとなります。休養をしなくても服薬をしていれば徐々に改善されるというものではありませんので注意しましょう。
薬物治療では、抗うつ剤と呼ばれる薬を用います。いくつかの種類が存在していますが、目的としては脳の情報伝達を増強するというのが基本です。うつのメカニズムというのは現代においても完全に解明されているわけではないので、クリティカルな薬ではないものの、一定の効果は確かに現れています。
抗うつ剤だけでの治療でも効果は見られますが、個人差もありますので場合によってはあまり効果が見られないということも少なくありません。
その場合には、増強療法という治療法が用いられます。これは抗うつ剤に加えて、非定型抗精神病薬という、通常であれば統合失調症の治療に用いられる薬をセットで服薬するという方法です。これにより、抗うつ剤の効果を増強させることが可能となります。
精神療法を取り入れる
もう一つの方法が「心理療法」です。これには「認知行動療法」と「対人関係療法」の2つが挙げられます。
認知行動療法
認知というのは、ものの見方や現実のとらえ方のことを指します。この療法では、この認知に働きかけることによってうつになりにくい状態にするというものです。たとえばうつになってしまいやすい方の場合、ネガティブであったり悲観的であったりという特徴があります。その結果として精神的に落ち込む頻度が増え、うつ状態になってしまうのです。そこで現実のとらえ方など、その人のくせを改善することによって、悪循環を解消します。
対人関係療法
うつになってしまう原因で多いのが、対人関係のトラブルによるものです。対人関係療法では、うつの原因となっている人間関係の問題を解消することによってストレスを少しでも減らすという療法となります。対人関係が問題のない状態になることで、うつ状態であることに対するサポートも受けやすい環境になるでしょう。休養もしやすくなりますので効果的です。
心理療法に関しては、単独ではなく薬物治療とセットで行うことで効果を発揮します。内容に関しては個人差がありますので、ご自身の判断で行動してしまうのは危険です。医師の指示に基づいて行いましょう。
まとめ
うつになってしまったら改善する必要がありますが、どうしても時間がかかるものです。気持ちが焦ってしまいがちですが、まずは落ち着いて改善に取り組むということが大切です。「京都心理臨床研究所」では、経験豊富な臨床心理士があなたに寄り添い治療をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。