うつの状態から徐々に回復をした場合、復職を視野にいれることになるでしょう。仕事をしなければ生活もたいへんなので、収入のためには避けられない部分となります。
しかし無理をしてしまうと、また症状が出てしまう可能性が大いにあるでしょう。そこで今回はうつが回復後の復職にあたり、注意したい4つのポイントについてご紹介いたします。ぜひとも参考にしてみてください。
復職を焦らないようにする
休養期間を経て、ようやく復職ができそうな体調になった際にまず注意していただきたいのが『焦らないようにする』ことです。支援制度を活用することによって収入面をカバーできていたとしても、やはり働かなければ収入を得られません。生活のことを考えると、復職を焦ってしまうのも当然かもしれません。また元通りの生活への気持ちも強くなっているでしょうから、それも相まって焦ってしまうでしょう。しかし焦ってしまっては元も子もなくなってしまう恐れがあります。
焦りは精神的にプレッシャーを感じてしまう状態でもあります。そもそも精神的なプレッシャーによってうつになってしまったのですから、復職の際に再び精神に負担を与えてしまってはいけません。復職への準備期間で、再び症状が悪化してしまいかねないのです。
また体調が改善した=復職できるというわけでもありません。日常生活レベルでの回復と、復職で求められる回復には違いがあります。体調が回復してからは、復職しても支障がない状態までさらなる回復のための準備期間となるのです。ここでもついつい焦ってしまいがちですが、すべては元通りの生活を送るためです。焦らずゆっくりと着実に回復に努めましょう。
焦らずに、体力と習慣を徐々につける
休養期間のすごし方は人によってさまざまでしょう。決まった生活リズムではない方もいるかもしれませんし、復職ごと比べるとゆっくりとしたリズムなこともあるかもしれません。そこで急に復職をしてしまうと、生活リズムのギャップから精神的な負担を感じてしまう恐れがあります。復職となると少なからず、毎日通勤などで外出することになります。その体力が備わっていない可能性も考えられるでしょう。
そのため復職を検討した時点から、生活リズムを復職後に合わせる習慣づけと、最低限の体力づくりをはじめましょう。生活リズムの習慣づけに関しては、場所はどこでもかまいません。決まった時間に決まった場所へ行くという、習慣をつけることがポイントです。たとえばカフェでもよく、図書館や公園でも大丈夫です。それによって就寝や起床などの時間も整っていきます。
体力づくりに関しては、軽い運動で十分です。休養中には気力だけでなく、体力も落ちてしまっているでしょう。日常生活を送るために、最低限問題ない程度になればよいのです。たとえば毎日ジョギングを20分程度おこなうなど、軽いものにしましょう。頻度に関してもかならずしも毎日行わなければいけないわけではなく、無理のない範囲で継続することが大切です。
職場に理解をしてもらう
復職にあたり職場の理解は不可欠となります。復職といっても職場への復帰をしただけにすぎませんので、いきなり通常業務をこなすことは難しいでしょう。時短勤務や業務量の調整などをしてもらうことで、徐々に通常の業務へとシフトさせていく必要があるのです。
いきなり通常業務を行うことになってしまい、その後数ヶ月で再び休養の必要が出てしまうというケースも、残念ながら少なくありません。そのような事態になってしまうことがないように、職場や上司の方に配慮をお願いすることになります。
企業によってはリワークという制度を設けている場合があります。リワーク施設に通い生活リズムを整えたり人間関係に慣れるためのカリキュラムを、時間をかけて実施したりして復職のサポートをするものです。休職期間との兼ね合いもありますので、会社とどのようにするのか認識合わせを行うとよいでしょう。
復職のタイミングだけでなく、復職後に関しても会社や上司の方のサポートが必要となります。うつは精神的なものです。業務を遂行していくうちに徐々に、またストレスなどの負担を抱え込んでしまう可能性があるからです。個人的にカウンセリングによって常に状態を確認することにはなるものの、職場での実際の様子は上司の方が一番よくわかるでしょう。ご自身ではそういったつもりがなくても、つらそうにみえたときなどにサポートをしてもらえるように、お願いすることが大切です。
再休職しないような取り組みをする
再び休職してしまうことは決して悪いことではありません。一度復職をしたからといって、再び心のバランスが崩れてしまったとしてもそれは仕方のないことです。そのため復職後にそのまま働き続けられるようにしなければならないといった、不要なプレッシャーを感じることはないのです。ここで伝えたい再休職しないような取り組みというのは、再び休職しなければならないような状態にならないための取り組みという意味になります。
せっかく回復したというのに短期間で、再び休職するような状況になっては元も子もありません。復職をした意味もなくなってしまいます。そのうえで重要となるのが『自己分析』です。うつになってしまう原因となる部分に関して、ご自身の状態を明確にしましょう。そのうえでいかにして負担を抱えないようにするのかを、考えるというわけです。それによって再び休職するようなことにならないように、対処法を構築できるでしょう。
まとめ
まず復職をするにあたり、焦りは禁物です。鬱の説明で述べましたが、鬱になる人は責任感が強く、どちらかと言うと抱え込みやすい性格なので、どうしても焦ってしまうかもしれません。しかし大切なのは焦らずに復職をして、安定した生活を取り戻すことです。「京都心理臨床研究所」では、臨床心理士によるカウンセリングを行っております。無事復職するまでや、その後についてもあなたの支えになります。ぜひともお気軽にご相談ください。