社交不安障害の改善方法について!医師や臨床心理士のサポートが重要

社交不安障害は、自分の性格や能力のせいだと思い込んでいる人が多いため、病院を受診するのには抵抗があるという方が多くいらっしゃいます。しかし医師や臨床心理士による適切な処置を受けることで、しっかりと症状を改善していけるのです。今回は、社交不安障害の改善方法について詳しく解説します。

社交不安障害の改善方法は?

社交不安障害によって起こる、強い不安や緊張は性格が原因となっているため仕方がないと思われる患者さんが多いのですが、これらは適切な対処をすることで改善できるでしょう。

 

ここでは、病院を受診した場合の対処法としてどのようなものがあるのかをご紹介します。大きく分けて、薬物療法と心理療法の2つがあり、これらを組み合わせた方法がとられています。

 

薬を使用した改善方法

社交不安障害の原因の1つとして、脳内のセロトニン神経系やドーパミン神経系がうまく機能しなくなるということが考えられています。それらの脳内神経物質の不具合を解消することを目的として行われているのが薬物を使用した治療です。一般的には、SSRIと呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬が使用されています。これらの薬の効果が出るまでにはある程度の長期間の服用が必要になるでしょう。

 

また、セロトニンとノルアドレナリンの2つを調整できるSNRIという薬が使用される場合もあります。ほかにも、昔から利用されている抗不安薬を頓服として症状に合わせて利用することもあります。人によって薬との相性があったり、長期間服用することで効かなくなってしまったりする場合があるでしょう。

 

認知行動療法を使用した改善方法

薬物のほかにも、臨床心理士による認知行動療法などの心理療法を使って改善していく方法もあります。これらは、集団で行う認知行動療法と、一対一という個人で行う認知行動療法の2種類があります。

 

一般的には、医師や臨床心理士と一対一で行うのがより効果が高いでしょう。社交不安障害の人は、人よりも自分が劣っている、常に誰かから軽くみられていると思い込んでしまうネガティブな思考がクセになっている可能性があります。長い期間を得てクセになってしまった考え方が、その人の気質の1つとなってしまっているのです。

 

これらの思考のクセを認識し、改善していくことがこの認知行動療法の目的です。一回一回の通院時のみに医師や臨床心理師に言われたことをこなすというだけでなく、毎回次の通院までの目標を自宅でもこなしていくことが求められる場合もあります。

 

このように、日常生活の中から改善していこうというのが、認知行動療法であり、本人の強い意志がなければ継続が難しいという一面もあります。

社交不安障害の改善のために知っておきたいこと

社交不安障害の改善のためには、早期発見と治療をあせらないことが大切です。ここでは、それぞれの注意点についてより詳しく解説します。

 

早期発見が大切

社交不安障害は、早期発見と早めの対処が肝心です。とはいえ、専門医のところで受診する時点で、10年以上苦しんでいるという場合や、すでに学校や職場にいけないほど重症化しているというケースが多いのも事実です。

 

専門機関に早めに受診することで、より短期間で症状を改善できます。気になる症状があれば、早めに医師や臨床心理士などの専門家のところへ向かいましょう。

 

あせらずゆっくり

薬物療法と認知行動療法を取り入れることで、ある程度の不安症状を軽減できます。しかし、症状がよくなっているからといって、突然これらの治療を中断してはいけません。よくなったり悪くなったりという波を繰り返しながら少しずつ症状が改善していきます。あせらずにゆっくりと治療に向き合っていきましょう。

周りの人ができること

大切な家族やパートナーに社交不安障害である可能性がある場合に、周りの人はどのようなサポートができるのでしょうか。一番辛い本人によりそうという姿勢がとても大切です。

 

一緒に社交不安症に対する理解を深める

社交不安障害の人は、家族やパートナーなどの一部の身近な人の前では、問題なくリラックスして過ごせる場合が多くあります。そのため、身近な人ほど、社交不安障害に苦しんでいるということに気づきにくく、理解できない可能性が高くなってしまうのです。

 

病院やカウンセリングに行くという場合には、ぜひ一緒に付き添いとして向かい、一緒に病気についての説明を受けるようにしましょう。また、本やインターネットの情報を集めて、病気についてより理解しようという姿勢が大切です。

 

病院やカウンセリングの受診をすすめる

様子がおかしいな、もしかしたら社交不安症かもしれないと思った時には、病院や心理カウンセラーのところへ行くように促してあげましょう。自分から進んで受診する人は少なく、嫌がる人も多いのが現状です。抵抗を少なくするためにも、「とりあえず行くだけいってみて話を聞いてみよう。アドバイスだけもらおうよ。」というフレーズをかけてあげるのがよいでしょう。

まとめ

今回は、社交不安障害の改善方法についてご紹介しました。医師や臨床心理士と二人三脚で改善に向けてあせらず取り組んでいきましょう。

 

京都市にあります「京都心理臨床研究所」では、精神分析的心理療法中心の心理面接を行っております。40年に及ぶ心理臨床歴を持つ臨床心理士によるカウンセリングで、社交不安障害の改善をサポートいたします。まずは、お話を聞かせていただけたらと思いますので、ぜひお気軽にご連絡ください。